2023.12.31　叶わぬこと残り生きようもう一年
2023.12.30　頬杖に重き頭ようつらうつら
2023.12.29　蹴る石もなくて都会をとぼとぼと
2023.12.28　大股で前へ前へと冬さんぽ
2023.12.27　赤茶けたポスターの顔年の暮れ
2023.12.26　真夜中の灯り代わりのスマホかな
2023.12.25　白ネギのにゅるっと飛び出しアッチッチーッ
2023.12.24　仮の予定バッサリ消して初こよみ
2023.12.23　悔い多くとも改めず生きる意地
2023.12.22　大通り突然飛び出す宣伝カー
2023.12.21　忘年会終えてぼやけた月を見る
2023.12.20　不揃いの卵パックにつく安値
2023.12.19　日に三度落ち葉掃き溜めああしんど
2023.12.18　本棚で歳を取ったね紙の本
2023.12.17　ミッションは変われど終わらぬ親子ゆえ
2023.12.16　水匂ふ明けない朝のぐずぐずと
2023.12.15　冬晴れの心にズッシリ枯れもみじ
2023.12.14　冬支度広げて思案毛糸の服
2023.12.13　ひらがなをさらりさらさら枯れ落ち葉
2023.12.12　いつまでも色の変わらぬ漬物あやし
2023.12.11　この先は消化試合じゃ終われない
2023.12.10　シースルーぴょんと飛び立つエレベーター
2023.12.09　不具合のありて愛しき我が身かな
2023.12.08　みんなって個々の違いを消す言葉
2023.12.07　お賽銭ポッケに入れて冬散歩
2023.12.06　コンコンパカッ広がるタマゴの大平原
2023.12.05　アツアツの大根小さく切るお箸
2023.12.04　頭で描く星と星とを結ぶ線
2023.12.03　すれ違うのもルーティーン朝寒し
2023.12.02　チリンチりンここは空き家と風の言う
2023.12.01　赤白のサンタ迎えるポインセチア

2023.11.30　電飾の派手に飾れる平和かな
2023.11.29　立ち尽くす我の足もと溜まる葉っぱ
2023.11.28　岩砕き岩を流した波のあと
2023.11.27　新蕎麦に新米旨し腹ぷくぷく
2023.11.26　通行止めメンテナンスのできぬ橋
2023.11.25　話しても話足りないルルラララ
2023.11.24　背中押すお日さま温し秋さんぽ
2023.11.23　温度計のびあぐねてる十一月
2023.11.22　保湿クリーム塗れば汚れるスマホかな
2023.11.21　言いにくきことこそ歌で冬隣り
2023.11.20　食えば眠い眠いから寝るルーティーン
2023.11.19　こすっても消えぬ悪夢よキミは今
2023.11.18　果てしなき空旅に出るポリ袋
2023.11.17　分別は高度な判断要支援
2023.11.16　ペン立ての中でくすぶるシャーペン群
2023.11.15　またね、って信号変わるタイミング
2023.11.14　エコモードオフして温し便座かな
2023.11.13　横たわるぼっちの長ネギ持ち主やーい
2023.11.12　色づいてダダ―ッと落ちる人生も
2023.11.11　風強し恨み辛みよさようなら
2023.11.10　酒旨し氷とチョコを道連れに
2023.11.09　バナナバナナすべったすべったころんだころんだ
2023.11.08　耳穴を塞ぐ異物やポポイのポイ
2023.11.07　ぐしゃぐしゃの札束みたく落ち葉の山
2023.11.06　刻々と胸に脈ありありがとう
2023.11.05　晩秋とは名ばかり今日も夏日なり
2023.11.04　知り知られ見て見られてる夜長し
2023.11.03　群れる者ひとり者ありコスモスの道
2023.11.02　積読の掘り出し物は化石本
2023.11.01　揺れ動く雲の波間に月ちらり

2023.10.31　薔薇園に酔いしれてみるアラカンでも
2023.10.30　あたためたミルクの皮をペロリふたり
2023.10.29　風景に溶け込む我ら秋の暮れ
2023.10.28　夕暮れのチャイム戦もおアイコで
2023.10.27　死を想えば生がねばってはっけよーい
2023.10.26　老いが老いのために働くこの世の秋
2023.10.25　切らないでレンジのボタン点滅中
2023.10.24　脚長き我を作らん秋の暮れ
2023.10.23　空席のブランコ揺らす誰のしわざ？
2023.10.22　通過待ちコスモス撮っていいですか？
2023.10.21　詰め込んでバタン冷蔵庫のゲップ
2023.10.20　真ん中でパカッと割れた箸上等
2023.10.19　つかまえて走り抜けてく秋を秋を
2023.10.18　夏過ぎてチロチロ剥がすセロテープ
2023.10.17　立ち止まる我の頭に葉が一枚
2023.10.16　アラカンになってものびる髪と爪
2023.10.15　平和やともうかりまへん悪の声
2023.10.14　三分後の未来に向けて湯を注ぐ
2023.10.13　おつかれさま畳む日傘と情熱と
2023.10.12　夏過ぎて工事だらけの道と土地
2023.10.11　うめき声ポツポツ消えて秋のビール
2023.10.10　風ひゅるるぅちぢれ黒ずむ曼珠沙華
2023.10.09　手をつける前にパチパチインスタめし
2023.10.08　虫の音もお客さまなり秋の宵
2023.10.07　稲刈りの後の恵みよ鳥集う
2023.10.06　ヤダヤダヤダ大合唱の園児たち
2023.10.05　四分の一でも大きい梨を食う
2023.10.04　雨粒の重みを受ける傘重し
2023.10.03　炊き立てを供えてチーンいただきます
2023.10.02　巻き過ぎて壊したゼンマイ夏の果て
2023.10.01　咲くところ見せずパパッと曼珠沙華

2023.09.30　試着室うぬぼれ鏡ゆるむ顔
2023.09.29　目の前を縦横無尽赤とんぼ
2023.09.28　暗くともカラス鳴きだす日の出かな
2023.09.27　同じとこぐるぐる秋の夢浅し
2023.09.26　「加齢です」それなら医者はいらんかも
2023.09.25　バス停にバスの寄り添い止まる秋
2023.09.24　記憶という持ちもの減らすエイジング
2023.09.23　ぐぅの音今日もキッカリ腹時計
2023.09.22　湯を沸かし緑茶を淹れる秋の夜
2023.09.21　もういいやもう十分だ秋よ来い
2023.09.20　エアコンの活躍延長お彼岸まで
2023.09.19　新品の畳を滑る靴下たち
2023.09.18　ドーナツ盤ってなあに？昭和は遠くなり
2023.09.17　「はいどうぞ」団扇は要らぬ風をくれ
2023.09.16　紅の凛と灯りて秋の薔薇
2023.09.15　強くなる踏まれるたびに草のパワー
2023.09.14　店頭に並ぶカレンダー2024
2023.09.13　打ち水のようにふりまく笑顔かな
2023.09.12　「きゅうり」という文字も作れる我がきゅうり
2023.09.11　沸き立ちておしくらまんじゅう雲と雲
2023.09.10　永らえるのも高くつくお年頃
2023.09.09　茶柱の立ってるような寝てるような
2023.09.08　雨に眠り雨に目覚める雨やんや
2023.09.07　びとーんびとーん揺れてこぼれる百日紅
2023.09.06　汗をかく万の毛穴は大忙し
2023.09.05　足首をキュキュッとバスを待つ
2023.09.04　歳取れば不具合自慢だはははは
2023.09.03　秋の月ひまわりペコリペコリとな
2023.09.02　蝉の声パタリと消えて季のめぐり
2023.09.01　迷い指お水かお茶か「早よ押せや」

2023.08.31　救急車止める裏道飲む麦茶
2023.08.30　今どきは読み書き算盤みなスマホ
2023.08.29　砂つぶを拾えど戻せぬ砂時計
2023.08.28　風あれば揺れてチリンの仕事あり
2023.08.27　しぼり口笑顔とろとろマヨネーズ
2023.08.26　会釈して誰だったっけ誰だっけ
2023.08.25　サウナ風呂入る覚悟で外出する
2023.08.24　「大丈夫」ママの言葉は世界一
2023.08.23　木を蹴られ落ちて捕まるカブトムシ
2023.08.22　耐え難きを耐えて猛暑の出口待つ
2023.08.21　噴水よ届け真青な空の口へ
2023.08.20　追いやられ叩き売られるマスクかな
2023.08.19　ちゃらちゃらと一人前のしみじ汁
2023.08.18　水打ちて客を迎える残暑かな
2023.08.17　夏空に鍛え抜かれた力こぶ
2023.08.16　ベタベタの記憶ベッタリ残暑かな
2023.08.15　カマキリのカマ振り上げてごあいさつ
2023.08.14　夏休み寝ても覚めても蝉は鳴く
2023.08.13　薄めてく痛みの記憶日にち薬
2023.08.12　痒みなき夏ありがたし蚊はいずこ
2023.08.11　邪険にした傘にも出番あり五分
2023.08.10　今ひとつ気のない声はAI嬢
2023.08.09　ボーンとしか言えぬ時計の語る時
2023.08.08　泣く子あり笑ふ子ありてぐるんぐるん
2023.08.07　健康でいるのも世のため人のため
2023.08.06　風鈴の隣り気にしてかけ外し
2023.08.05　陽の落ちて待ってましたと蝉の声
2023.08.04　沢ガニをさっと掴める田舎の出
2023.08.03　真昼間日陰ほぼなし歩の止まる
2023.08.02　のびるのびるのびーる夏草「売物件」
2023.08.01　頑張るも頑張らないも夏もよう

2023.07.31　肌白きマスクの下の笑い声
2023.07.30　人間界クラゲになって浮かんでいたい
2023.07.29　日没後見とれていたいキミと空と
2023.07.28　透明なとろみのような暑さかな
2023.07.27　ゆさぶられゆるむおつむのねじを巻く
2023.07.26　泥池をじっと見つめる鯉求め
2023.07.25　複雑かつ緻密に編んだ地下鉄網
2023.07.24　小鳥たち前座つとめる夏の朝
2023.07.23　蝉の鳴く涼しいうちにと容赦なく
2023.07.22　寝転べば干し人間のできあがり
2023.07.21　何度も泣く同じ映画の同じ場面
2023.07.20　太陽が二倍二倍にゆらめけり
2023.07.19　へろへろの紫陽花今年もありがとう
2023.07.18　なぜなぜが夏の宿題目はキラキラ
2023.07.17　人間のフリして微笑む花一輪
2023.07.16　カンカン照り影を拾って歩く道
2023.07.15　吊り革に指一本のぶら下がり
2023.07.14　プランターに収める花の定型美
2023.07.13　煮卵か半熟卵か夏の朝
2023.07.12　カッカッカーッ元気は天気の股裂きだ
2023.07.11　饒舌な財布の口も今やシャリーン
2023.07.10　つつかれて頭の先の朝陽かな
2023.07.09　一様に焦がすトースターまだ現役
2023.07.08　五十円引きじゃなくて半額シール待ち
2023.07.07　母の背はやがて我の背つむぐ時
2023.07.06　曲がってもきゅうりはきゅうり安く買う
2023.07.05　サンプルかお手本並みかAI文
2023.07.04　文庫本カバーを変えて夏バージョン
2023.07.03　試練ともチャンスとも言う曲がり角
2023.07.02　憂鬱を洗い流して濁り川
2023.07.01　あきらめが肝心今日も雨が降る

2023.06.30　母よりは長く生きたし梅雨末期
2023.06.29　淡き夢淡き日の出に押し出され
2023.06.28　透明な仕切りためらうお近づき
2023.06.27　手水にて水浴びしてる鳩黒し
2023.06.26　カゴいっぱいえんどう豆の話好き
2023.06.25　紫陽花の朝露のっけぽろぽろん
2023.06.24　母一人白き暦にポツポツ書く
2023.06.23　30秒いや1分かチンを待つ
2023.06.22　薄い雲手と手つないで遮る光
2023.06.21　観察会スマホの光追うホタル
2023.06.20　パキパキと折ってイタドリ食べたなぁ父と
2023.06.19　枯れ細る紫陽花やがてドライフラワー
2023.06.18　サングラスの向こうは泣き顔クマ二つ
2023.06.17　高いとこ好きな阿呆に風涼し
2023.06.16　花盛り未来のタネを誰に分けん
2023.06.15　夢の中付けた付箋が消える朝
2023.06.14　子の未来語れぬ国の下り坂
2023.06.13　人よりも犬を覚える散歩道
2023.06.12　吸うほどに濡れてしんなり紙ストロー
2023.06.11　開ければ開くことあり心の窓
2023.06.10　アクセルをそっとゆるめて愛のパワー
2023.06.09　ゆるんだらしめればいいさ頭のネジ
2023.06.08　トリセツを繰り返し読む梅雨間近
2023.06.07　見返して潜むトゲ抜くメール文
2023.06.06　青信号ダッシュで決めよう夏の恋
2023.06.05　夏日差すぽつりぽつりと未来絵図
2023.06.04　路線バス力士ドスンと腰掛ける
2023.06.03　逆さ立ちチューブがずらり冷蔵庫
2023.06.02　ダダダダーン夏の運命落ちてくる
2023.06.01　ドクダミのどの子もツンと突き上げる

2023.05.31　サンダルからはみ出た指のむにゅむにゅむにゅ
2023.05.30　幼な子の雨雨降れ回る傘
2023.05.29　最高に無防備な姿ですバンザーイ
2023.05.28　大縄に囲い込まれて山も飛ぶ
2023.05.27　空き瓶の擦れ合う音回収車
2023.05.26　二度寝する？いや腹減ったと鳴くカラス
2023.05.25　駆け上がる駅の階段風若し
2023.05.24　爪切って指先軽し初夏の音
2023.05.23　青匂う心の鬼は冬眠中
2023.05.22　真っ白なスニーカー踊る芝生の上
2023.05.21　咲き満ちた後のつつじのチャッチャッチャッ
2023.05.20　紫陽花の外から内へ色づけり
2023.05.19　ひと仕事終えた桜の緑燃ゆ
2023.05.18　夏キラリボトルの水のやや軽し
2023.05.17　ふわりふわり試運転かな五月の蚊
2023.05.16　笑ひ声あふるる庭のあやめかな
2023.05.15　怒り立つ乳房いっぱいロマネスコ
2023.05.14　気が付けば一冊読み切り飯忘れ
2023.05.13　たぷたぷの制服まぶし初夏の風
2023.05.12　どこからかチーンと鳴れば手を合わす
2023.05.11　ギーギャーに負けるな美声の小鳥たち
2023.05.10　さあ行こう目尻を下げて口角上げて
2023.05.09　コロナ明け残りをチェックパスポート
2023.05.08　雨しとど付かず離れず生きる道
2023.05.07　紙は不要されど群がる号外に
2023.05.06　私も欲しい！母困らせた鯉のぼり
2023.05.05　消しゴムの残り少なき命かな
2023.05.04　たんぽぽの風にほだされラララララ
2023.05.03　山椒のほのか筍ご飯より
2023.05.02　自由とはむつかしきもの青匂ふ
2023.05.01　野遊びの一抜け二抜け春暮れる

2023.04.30　一枚ずつ心重ねてミルフィーユ
2023.04.29　「ありがとう」そのひと言に「ありがとう」
2023.04.28　水底の石のゴロゴロ雪解け水
2023.04.27　青もみじ流し流され鯉のぼり
2023.04.26　折り鶴のへなりへなりと濡れそぼつ
2023.04.25　春暮れてカラスひと鳴き帰りましょ
2023.04.24　建て替えの様子見守るお地蔵さん
2023.04.23　左利きのハサミじょきじょき春まっすぐ
2023.04.22　とまり木にチュンチュンチュチュン満席です
2023.04.21　花のあと芯のパラパラ燃え残り
2023.04.20　春暮れて混み合う空の点滅灯
2023.04.19　葉桜やあの人に逢う昼下がり
2023.04.18　ギャン泣きの子に花びらのランディング
2023.04.17　あやしげな雲に挟まれ急ぐ帰路
2023.04.16　席空けて座る気楽さもう終わり
2023.04.15　真白すぎ揃いすぎの歯人口臭
2023.04.14　葉桜の色褪せてなお女なり
2023.04.13　身を寄せ合ひ川を流るる花筏
2023.04.12　同じ話何度も聞いて春うらら
2023.04.11　ひとり居の心のままに春めいて
2023.04.10　晴れた朝洗濯物もニッコニコッ
2023.04.09　春陽差すまあるい風とキミの息
2023.04.08　さくらさくら咲いて散ってもさくらなり
2023.04.07　遅くとも私の恋は八重桜
2023.04.06　水張りてふっくらしてる田んぼかな
2023.04.05　春陽差す背中並べし亀の池
2023.04.04　忘れたきことこそ残る春の悔い
2023.04.03　小さな手ゆっくり開くハナミズキ
2023.04.02　降る花の人の背に乗り遠出する
2023.04.01　つらつらと愚痴れることも幸せか

2023.03.31　もやもやと浮いて沈んで春の海
2023.03.30　降る花にまぎれ舞いあがるモンシロチョウ
2023.03.29　暗闇ゆえ見えるものあり聞こえるものあり
2023.03.28　いそがしや脱いだり着たり揺れる春
2023.03.27　花びらのぺたりぺたりと付箋のよう
2023.03.26　ここそこも酔うか飽きるか桜道　
2023.03.25　輝けりだらりの帯としだれ桜
2023.03.24　花木蓮パパパと灯りパッと消え
2023.03.23　咲いた花つついてポイポイ落とす鳥
2023.03.22　ブランコのメンテできずに撤去され
2023.03.21　つっつかれころりころりとタコ焼き器
2023.03.20　極上の寂しさ抱いて雪の宿
2023.03.19　老いも病も生きてる証しよっこらしょっと
2023.03.18　傘帰る花びらのせて桜雨
2023.03.17　日々ケンコーそれがサイコーありがとー
2023.03.16　構うな！と丸い背中で語るキミ
2023.03.15　しげしげと顔見るでなしノーマスク
2023.03.14　くしゃみして花びらぽろり白木蓮
2023.03.13　とび色の靴飛び跳ねる春陽かな
2023.03.12　良きみくじポケットに入れ春るんるん
2023.03.11　あの日から干支ひとまわり3.11
2023.03.10　ちびちびと梅の花びら落ちてまろし
2023.03.09　春本番少し動けば腕まくり
2023.03.08　ババ抜きもジジ抜きも無理現社会
2023.03.07　張り替える前の障子をぶすぶすと
2023.03.06　各部屋にゴミ箱時計カレンダー
2023.03.05　履き物を揃える人の心整う
2023.03.04　置き去りにされた心を拾う春
2023.03.03　あらかんのさあこれからだここからだ
2023.03.02　大粒の光ぽちぽち装う月
2023.03.01　園児らの声高くなる弥生かな

2023.02.28　逃げる逃げる二月の尻尾するすると
2023.02.27　菜の花のぷうんと匂ふ陽のぬくみ
2023.02.26　母と居て風の声聴く二月かな
2023.02.25　雨あがりさあ買い出しだ露ひとつ
2023.02.24　春一番私は私の色で咲く
2023.02.23　この先はゆっくりゆっくり春を踏む
2023.02.22　パシャパシャと降る音消えて雪となり
2023.02.21　匂い立つ早咲き桜と梅ラララ
2023.02.20　人間は泣き鳥は鳴くホーホケキョ
2023.02.19　きみの手のふっくら温し春ごころ
2023.02.18　両性を持ちてこの世は花盛り
2023.02.17　山笑い始めは梅かふふふふふ
2023.02.16　口開けて食われるを待つ大かぶと
2023.02.15　首元をかためて風邪に隙やらず
2023.02.14　恋みくじ見つけられるかハートマーク
2023.02.13　並ぶパン最後の一個に手を出さず
2023.02.12　春の花光集めてぽつりぽつり
2023.02.11　花ならばうれし涙の吹雪かな
2023.02.10　園児の歌じょじょに揃ひて強き声
2023.02.09　白梅のああ恋ごころ花ごころ
2023.02.08　疑うことばかり増えてく訪問者
2023.02.07　青黄赤じっとしている時長し
2023.02.06　朝寝坊させじとお日さまピッカピカッ
2023.02.05　親指の存在あらた足袋靴下
2023.02.04　湯豆腐のようでありたしこの恋は
2023.02.03　吐き出せば忘れる一句枯れ落ち葉
2023.02.02　厳寒の言葉は強く短くなり
2023.02.01　透き通る水の鋭き痛みかな

2023.01.31　一斉に飛び立つ群れと追う一羽
2023.01.30　起きようかいやもう少しぬくぬくぬく
2023.01.29　振り向けばわけ知り顔のあくび猫
2023.01.28　煽る文字ギュギュッと束ね古紙回収
2023.01.27　大浴場何はなくとも前隠し
2023.01.26　ピカピカに剣を研いで冬の月
2023.01.25　ずっしりとくる白菜を手に入れる
2023.01.24　ギューチョキパーがパーグーチョキに冬の木々
2023.01.23　ゴミ出しの手に付く雲の欠片かな
2023.01.22　着ぶくれて鳥ならカワイイおっとっと
2023.01.21　エビデンス拾い集める聴診器
2023.01.20　風降るや東西南北出口あり
2023.01.19　一つ目は日の丸弁当めでたしめでたし
2023.01.18　欲なしと言えど生きたい欲まんまん
2023.01.17　おかげさまお互いさまで日々幸せ
2023.01.16　刻々と過去へ追いやる針の音
2023.01.15　唇のプラスに動く春隣
2023.01.14　戯れる猫を肴にもう一杯
2023.01.13　心音の規則正しく年越せり
2023.01.12　お日さまのしみしみしみる背のぽっぽ
2023.01.11　熱々のコーヒー冷ます昼寝かな
2023.01.10　めくってみる日焼けした表紙積読本
2023.01.09　チョコ並ぶ季節限定ビタースイート
2023.01.08　丸々と月太らせてはや七日
2023.01.07　冷たい手温かい人寒の入り
2023.01.06　キンキンに冷えて頭上の月ピカリ
2023.01.05　日当たりの悪い銀杏はらりはらり
2023.01.04　春ゆるりほどけてゆるり祝い酒
2023.01.03　初春や道に迷ひて道を知る
2023.01.02　ストーンストーンストーン追いつけない日の落ちるスピード
2023.01.01　夢に生き夢に死ねるは本望なり