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2025.09.14

水風呂も適温だった夏だった

千早都

2025年

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12月

11月

10月

9月

2025.09.14 水風呂も適温だった夏だった
2025.09.13 ハエトリにGの貼り付く晩夏かな
2025.09.12 雷に真っ向勝負ネコ盛る
2025.09.11 ペタペタと貼って剥がしてインスタントラブ
2025.09.10 闇深し心細げに鳴く鈴虫
2025.09.09 頭首背中に垂れる汗のすじ
2025.09.08 月光に見透かされてる無念かな
2025.09.07 高らかにきゅうり噛む音ぬか漬けの
2025.09.06 雨あがり地上を照らすサイレントムーン
2025.09.05 向日葵のうつむきがちな夜の顔
2025.09.04 戦友をひとり失う抜歯かな
2025.09.03 亀の首ぐぅぅとのびてきゅとちぢむ
2025.09.02 野菜庫のジャガイモ一個みぎひだり
2025.09.01 蝉しぐれ一人二人と消えていく

8月

2025.08.31 明けぬ間に水遣り終える晩夏かな
2025.08.30 夏休み加速度つけて通り過ぎ
2025.08.29 万博に花咲くハギと土の香と
2025.08.28 スマホずしり皆の脳みそ詰め込んで
2025.08.27 60年おんぼろ車の意地を見せ
2025.08.26 長寿国今を限りと蝉の声
2025.08.25 もわもわの空気ゆらゆら歩く人
2025.08.24 ぽろぽろと落ちてころころサルスベリ
2025.08.23 プリップリッたまごサンドの輝けり
2025.08.22 かぶりつくしかないとろーりソフトクリーム
2025.08.21 真っ白なタオルをおろす還暦ゆえ
2025.08.20 冷たいほうがモテる時代のラブレター
2025.08.19 乗り過ごしどこまで行こう夏の暮れ
2025.08.18 割り箸を丁寧に割る蕎麦御膳
2025.08.17 猛暑ゆえ怒るのやめよ頭冷やそ
2025.08.16 風鈴をさげないことも思いやり
2025.08.15 ひとすじがふたすじみすじ蝉の声
2025.08.14 何ごともなかったような飛行機雲
2025.08.13 いい歳をして脱皮する夏盛り
2025.08.12 人々の流れを逸れてアイスティー
2025.08.11 引っかかる小骨のような路地に居り
2025.08.10 いつだって見守る係赤いポスト
2025.08.09 燻りもまた良し燻製ソーセージ
2025.08.08 いやいやをしてひん曲がるきゅうりかな
2025.08.07 微笑みが憎しみになる選挙あと
2025.08.06 ぷくぷくとつぶやくようにソーダ水
2025.08.05 美味しそうなのは色だけ蛇苺
2025.08.04 降車ボタン押したくないな冷房車
2025.08.03 ああうまい!土の割れ目を満たす水
2025.08.02 八十の手習いずらりサマースクール
2025.08.01 この夏のきゅうり出来過ぎ太り過ぎ

7月

2025.07.31 夏まつり身体よれても口達者
2025.07.30 冷奴のらりくらりと鰹節
2025.07.29 問いかけに虹色の解夕涼み
2025.07.28 目の前を斬って斬られて夏ツバメ
2025.07.27 雨雲よ来るな来るなとビアガーデン
2025.07.26 邪魔だけど邪険にできぬ日傘かな
2025.07.25 涼しげに見せて見られて盆踊り
2025.07.24 エアコンは揺れる命の守り神
2025.07.23 ああカステラ切り分けたってひとり食い
2025.07.22 ウソくさい言葉メラメラ燃えて消え
2025.07.21 連結が凍結に見え冷やしあめ
2025.07.20 葉の隙間ざわめく空の協奏曲
2025.07.19 水没し血を垂れ流す夕陽かな
2025.07.18 朝一番バナナ二本で快適だ
2025.07.17 弾除けにでもなれたなら老いの道
2025.07.16 着ない服残るひきだし夏の憂い
2025.07.15 ハンコつき持ち手にペタリ我の傘
2025.07.14 花つけた草は抜けぬと庭そうじ
2025.07.13 暑い日のハグはふんわり扇風機
2025.07.12 蹴飛ばせば夏は転ぶか百日紅
2025.07.11 古タンスすねて開かぬ弾トントン
2025.07.10 「雨よ降れ」「どっさり降るな」民の声
2025.07.09 向日葵の笑む余裕なく頭下げ
2025.07.08 梅雨中の耐えてしのんでまた耐えて
2025.07.07 嘘くさい言葉ならべて夏いくさ
2025.07.06 小吉だ雨の文月ひとりごと
2025.07.05 滴りが滴りを生み滴りぬ
2025.07.04 ハイトーンボイス途切れぬかじかかな
2025.07.03 よく働く手と手足と足ありがとう
2025.07.02 喜怒哀楽すべて見ていた柱時計
2025.07.01 振り切ってどこまで戻す米ディール

6月

2025.06.30 うねりつつ息絶えたらしアスファルト
2025.06.29 痛いほどイボイボしてる野のきゅうり
2025.06.28 除草剤撒くののびのび梅雨最中
2025.06.27 人生のくぼみちょこっと水たまり
2025.06.26 曖昧な相槌ひとつ雨止まぬ
2025.06.25 山間の雲吸い込んで吐き出して
2025.06.24 生きている証拠と笑うイビキかな
2025.06.23 カラフルに埋めてどうする予定表
2025.06.22 どうせなら笑顔でパチリ顔認証
2025.06.21 日差し消えホッとひと息忘れ傘
2025.06.20 セクシーなお値段タコの足を買う
2025.06.19 全開になりて戸惑ふ夏の蓋
2025.06.18 補助道具増える老いって金食い虫
2025.06.17 紫の兵の弱りて夏は来ぬ
2025.06.16 行って来い波を見てるずっと見てる
2025.06.15 ウグイスの独唱続く雨の朝
2025.06.14 寂しくも涼しくもあり巣立ちの朝
2025.06.13 かたつむりやっと見つけたあじさい径
2025.06.12 紫陽花の小さな小さな傘集め
2025.06.11 夏草やコンクリート割るアスファルト割る
2025.06.10 むうぅぅっと魚のにおい雨のにおい
2025.06.09 梅雨入りか命だくだく内出血
2025.06.08 腹ぱんぱん狸寝入りか信楽焼
2025.06.07 夏は好きでも蚊は嫌いペチッとな
2025.06.06 折れてなおテープを巻いて使う傘
2025.06.05 米踊り米溢れてるニュースでは
2025.06.04 花時計長針の君に会いに行く
2025.06.03 もう一度読むかも湿る本の山
2025.06.02 キリキリと左右に軋む世情かな
2025.06.01 水無月や起きろ起きろと鳥の声

5月

2025.05.31 吸い放題皐月の風もあと少し
2025.05.30 エレベーター客の意のままスクワット
2025.05.29 開きかけた夏の扉をちょいと閉め
2025.05.28 厚切りのパンをひと切れプチ贅沢
2025.05.27 晩春や行きつ戻りつ園児の声
2025.05.26 六十代生きるテンポは昭和歌謡
2025.05.25 晴れ女勝たせてやりなよ雨男
2025.05.24 アラームが三回鳴ってもう知らん
2025.05.23 ジャスミンの匂いにむせて早歩き
2025.05.22 吹き出しにピースのサイン春の雲
2025.05.21 ふんわりとやさしく包む春キャベツ
2025.05.20 ザックザクッ剪定作業梅雨前に
2025.05.19 首伸ばし首引っ込めて亀の昼
2025.05.18 一歩二歩そこからダッシュのテイクオフ
2025.05.17 焦ったら負けと教える振り子かな
2025.05.16 罠よりも鈴を付けてと熊の道
2025.05.15 滅びゆくものそのままに我らとて
2025.05.14 久々の赤帽戸惑う細々と
2025.05.13 濡れそぼる花びら葉っぱ信号機
2025.05.12 雨半分曇り半分梅雨ヒタヒタ
2025.05.11 揺れる春笑えるぐらい嘘がヘタ
2025.05.10 「絶対」は絶対にない儲け話
2025.05.09 売り物件貸し物件しかない通り
2025.05.08 信号に捌かれている車たち
2025.05.07 住み着いた猫追い払う解体劇
2025.05.06 走り出す子をつかまえる母強し
2025.05.05 こどもの日祝うは大人ばかりなり
2025.05.04 休日のエスカレーターじっと立つ
2025.05.03 誰も見ぬテレビは消してスマホ族
2025.05.02 五月晴れ膝突き合せ戦やめ
2025.05.01 風吹けば泳ぐミッション鯉のぼり

4月

2025.04.30 大縄跳び入りそこねて六十年
2025.04.29 ジャングルジム中に入ればゴツンゴツン
2025.04.28 風うねるぴーちくぱーちくチューリップ
2025.04.27 春の草粘り強くて抜き難し
2025.04.26 傷だらけになりて帰りぬ猫の恋
2025.04.25 散髪を終えてスッキリ大欅
2025.04.24 「じゃあね」より「またね」が欲しいお年頃
2025.04.23 時ぐすりも必要されど勿忘草
2025.04.22 タラの芽の苦みあっての甘みかな
2025.04.21 たれ口のとろりとろりと春目覚む
2025.04.20 楽しみを感じるセンサーパッと開く
2025.04.19 水を張る田んぼダダダン前倒し
2025.04.18 花散らし頭の上に置き土産
2025.04.17 腕まくりそろそろ膝も出す季節
2025.04.16 桜散る剥がれた爪がわんさかと
2025.04.15 さくらさくら私を置いて散るなかれ
2025.04.14 しみついた人の匂いも花嵐
2025.04.13 ギラギラよりキラキラがいい春日差し
2025.04.12 好きになってはいけないものほど好きになる
2025.04.11 風強し枝垂桜の鞭打って
2025.04.10 花曇り回転ドアにごっつんこ
2025.04.09 六十を超えて一日一笑い
2025.04.08 何とかなる何とかするで六十年
2025.04.07 蹴つまずきお天道様の笑う影
2025.04.06 パックから解放されて笑む玉子
2025.04.05 生きていれば灰汁も旨味もにじみ出る
2025.04.04 春霞強し宇宙の中の人
2025.04.03 ガブと噛むことなき出っ歯の存在感
2025.04.02 まっさらなスーツを濡らす桜雨
2025.04.01 美容室帰りは人けのある道を

3月

2025.03.31 ぬかるみをよけて歩けば花の宴
2025.03.30 花冷えの雨とろとろとミルクティー
2025.03.29 空席にはまる?はめる?やめておこう
2025.03.28 片付いたつもり器にぽんぽんと
2025.03.27 透き通る新芽に強き命かな
2025.03.26 初夏の花瓶の水の匂い濃し
2025.03.25 輪ゴムにも当たり外れありプチップチッ
2025.03.24 「またね」ってそれだけですか春の水
2025.03.23 ボーダーラインおしくらまんじゅう世界地図
2025.03.22 生っぽい匂い絡めて春の風
2025.03.21 電柱のかげにこっそり残り雪
2025.03.20 添削の数だけ深みのある人生
2025.03.19 チャリチャリと落ちて広がる春の雨
2025.03.18 五月の予定書けば四月の縮こまる
2025.03.17 冬籠り「こも」を外してストレッチ
2025.03.16 生きてるよ尻尾切れてもまた伸びて
2025.03.15 敵なのか睨み一秒猫が行く
2025.03.14 割れ目よりニョキッにっこりアスファルト
2025.03.13 罰ゲームなのか校庭ぐるぐると
2025.03.12 魂を吸い取られてく日向ぼこ
2025.03.11 ペットカーベビーカーより目立つ町
2025.03.10 バスの窓おでこをペタリ熱冷まし
2025.03.09 水温む念入りになる歯磨きも
2025.03.08 菜の花に変えてパスタに宿る春
2025.03.07 母あればこその故郷咳ひとつ
2025.03.06 吸い込めば冷気のつぶがチクチクと
2025.03.05 また冷えてこたつに集ひ剥くみかん
2025.03.04 蜜を吸い花を落とすもメジロなり
2025.03.03 鍵穴を指でなぞりていちにのさん
2025.03.02 朦朧となりてやさしき春の暮れ
2025.03.01 すずなりのおみかんここも空き家らし

2月

2025.02.28 春日差しレタス飛び出すサンドイッチ
2025.02.27 傷つけど壊れぬタフさプラスティックラブ
2025.02.26 割り箸のパカッと割れて蕎麦うまし
2025.02.25 おつりってなあに?幼なのクエスチョン
2025.02.24 何もない貸し部屋寂し眠り姫
2025.02.23 嚙み合わぬことスルーして和を保つ
2025.02.22 はじめにとおわりに読みて閉じる冬
2025.02.21 如月の音も匂いも凍てつく夜
2025.02.20 サイレンに疼く傷口寒極む
2025.02.19 待たせるより待つ方がいい冬座敷
2025.02.18 傘立てに色とりどりの杖ぎゅうぎゅう
2025.02.17 鳥たちの言葉感じる夜明けかな
2025.02.16 睨みつけ擦って押してスマホ沼
2025.02.15 お気に入りの便箋終わり筆不精
2025.02.14 千切られて幟(ノボリ)スケスケ風遊び
2025.02.13 消えないのはきっと幸せ笑い皺
2025.02.12 かじかんで掴めぬ夢も君の手も
2025.02.11 手をこすり足をこすりて冬ごもり
2025.02.10 寒椿受けて立つ花落ちる花
2025.02.09 横に置く読めぬ余命とホッカイロ
2025.02.08 手水鉢カンカンこおり折る柄杓
2025.02.07 弱る心同じ視線で雪を見る
2025.02.06 紅梅にうっすら白き夜明けかな
2025.02.05 火を灯しぶるるぶるると手提灯
2025.02.04 バリバリと踏んで潰して霜柱
2025.02.03 記憶とは痛み苦しみ泣き笑い
2025.02.02 節分や親しき人と二度三度
2025.02.01 布団からチビと手を出しスマホチェック

1月

2025.01.31 波高し逃げて逃げてと天の声
2025.01.30 「寂しくなる」呟く声に振り向かず
2025.01.29 図画の時間近所で探す新聞紙
2025.01.28 キミに似た人の多くて大都会
2025.01.27 犬を引き犬に引かれて共に老い
2025.01.26 張り詰めた空気にそっと雨粒を
2025.01.25 絵馬並ぶ日本語英語各国語
2025.01.24 「ありがとう」で終わった夢にありがとう
2025.01.23 突っ切ればどぼっとはまる冬の田んぼ
2025.01.22 さすられてツルツルになる石のヘビ
2025.01.21 大寒の鼻をくすぐる雨のにおい
2025.01.20 新品の消しゴム売れる試験前
2025.01.19 じゃり道の御苑をひとりモーニングウォーク
2025.01.18 豊作の採られず落ちず黄色い実
2025.01.17 味噌バターうまし汁もの炒めもの
2025.01.16 狛犬の足元ひとつ冬みかん
2025.01.15 処分する本を開けば時忘れ
2025.01.14 正平さん今はお空のどこ走る?
2025.01.13 歩き出すスマホひとつで知らぬ街
2025.01.12 プランターたえず葱あり先っぽ切り
2025.01.11 手袋をしたままつなぐ分厚い手
2025.01.10 ブサイクと思えど美味しラ・フランス
2025.01.09 青空にしかめっ面の頬ゆるむ
2025.01.08 歳とれど今日も伸びます髪と爪
2025.01.07 おさぼりも贅沢のうち冬ごもり
2025.01.06 問いかけを研ぎ澄ませるは人の業(わざ)
2025.01.05 足元をくしゅくしゅ起きる準備して
2025.01.04 かけ違いナウいファッション言い切る老い
2025.01.03 たわわなる年の始めのカレンダ-
2025.01.02 重ね着を一枚脱いでお正月
2025.01.01 踏み踏まれ黄色い粉になるイチョウ